男性が女性の競技に参加してよい理由とは?
リンダ・ブレード博士、スポーツパフォーマンス専門
2021年5月4日
オリンピック関係者の皆様、そして日本の皆様へ。
近代オリンピックは、社会的地位や文化的背景に関わらず、公平な競技の場で優秀さを称える実力主義のスポーツ競技の祭典となるべく構想されました。
しかしながら国際オリンピック委員会(IOC)は、2015年に一部選手の権利を他の選手の権利より優先させる決定を下し、十分な審議を経ることなく女性と自認する男性選手は、女性選手として競技に参加できると判断したのです。
こんな理不尽で不公平なことがあるでしょうか?男性の肉体が女性の肉体よりも圧倒的に有利であることは、オリンピック記録を見れば明らかです。男性には高いパフォーマンスを可能にする次のような身体的な優位性が備わっているのです。
体重が20-40%重い
筋力が30-60%高い [特に上半身を使った動きにおいて]
爆発力 33%増
走力 10-15%
キック力 20%
パンチ力 160%
ラグビーでのスクラム力 40-60%
最大酸素摂取量(VO2max) 20-40%
投げる力 20-30%
重量 30-50%
腱がはるかに硬い
IOC は、男性選手のテストステロン値が、1年間10 nmol/Lを下回った状態であれば、この優位性はなくなり、女性として競技しても公平性は保たれると主張していますが、これは大きな間違いです。
テストステロン減少の前後における男性の筋力を測定したこれまでのあらゆる研究では、男性の筋力の優位性に大幅な減少は見られないことが示されています。
どうやって、男性の骨格や筋肉を女性並み小さくすることができるのか?どうやって、心臓や肺を小さくして酸素供給力を女性並みにすることができるのか?科学の力を借りずとも、自明の理であることが日本の皆様にもご理解いただけるでしょう。この件に関するIOCの見解は、女性やスポーツ、そしてオリンピック競技自体に対する冒とくといえます。この方針に基づき女性として競技参加を希望する男性選手は殆どいないとIOCが想定したことで、この冒とくはさらに上塗りされました。なぜならここ数年、スポーツの世界では「トランスジェンダー」を名乗る男性選手が増加しており、女性選手が代表となり、表彰台に上がる機会を奪っていることが記録されているからです。
彼らは更衣室、トイレ、選手宿泊施設に限らず、女性選手の使うすべての施設は男性も利用できると主張しています。2021年、IOCはこの異常な「トランスジェンダーに関するコンセンサス」を直ちに撤回すべきです。
女性のオリンピックスポーツというカテゴリーの整合性を脅かす抜本的な変更を促す政策には詳細な調査と長期的な研究、さらに広範囲にわたる協議が不可欠です。
男性選手が女性のオリンピック競技の表彰台に上がった「歴史的」瞬間として、東京2020オリンピックが嘲笑と羞恥の対象となることを願う人は世界中どこを見回してもいません。
今こそ、オリンピックを取り巻くすべてのメディアがこの話を伝え、日本がこのような不名誉を被ることがないようIOCを説得するべきです。
問題山積みの年に膨大な資金とエネルギーを投入してこの祭典を実現する日本の皆さんには、「誠意あるオリンピック」が何よりふさわしいのです。
日本でのオリンピック開催の準備が滞りなく進むよう心より願っております。
東京2020オリンピックの開催を支持します。
リンダ・ブレード
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リンダ・ブレード博士。カナダ・サイモンフレーザー大学運動生理学部より博士号取得。専門はスポーツパフォーマンス。カナダ・エドモントンでスポーツパフォーマンスの専門コーチとして25年間、15種類以上のスポーツ種目で(初心者からトップアスリートまで)アスリートに基礎行動体力スキルを運動選手に指導。2014年より、カナダ・アルバータ州のアスレチックス・アルバータ理事長。
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Version originale: https://womensdeclarationusa.com/on-the-olympic-games-and-integrity/
Version française: https://tradfem.wordpress.com/2021/07/18/lettre-ouverte-au-peuple-japonais-de-lentraineuse-canadienne-linda-spenst-blade-autrice-de-unsporting/